アカアシガメという亀がいます。
南アメリカの森に暮らす、
リクガメです。
名前の通り、足に赤い模様があります。
派手な亀ではありません。
でも、この亀には面白い役割があります。
森を育てているんです。
どういうことでしょう。
アカアシガメは、果実が大好きです。
森に落ちた果実を食べる。
熟した果実を食べる。
とにかく、よく食べます。
そして、歩く。
森の中を歩く。
ゆっくり歩く。
その途中で、
食べた果実の種を落としていくんです。
つまり、種を運んでいる。
木は自分で歩けません。
種も自分では移動できません。
だから、アカアシガメが運ぶ。
森の別の場所へ。
新しい命が育つ場所へ。
研究者たちは、
アカアシガメが森の植物の種子散布に重要な役割を果たしていることを報告しています。
本人は、森を育てようなんて思っていません。
ただ、果実を食べているだけです。
ただ、自分のペースで歩いているだけです。
でも、
その行動が結果として、森を育てている。
ここが面白いところです。
教師の仕事にも少し似ていますよね。
目の前の子どもに関わっているだけなのに、
何年も後になって、
どこかで芽が出ていることがありますから。
誰かを変えようとしていなくても、
誰かを助けていることがある。
大きなことをしていなくても、
誰かの支えになっていることがある。
学校でも
家庭でも
職場でも
自分では気づいていないだけで、
誰かの背中を押していることがあります。
アカアシガメは、
今日も森の中を歩いています。
急がない。
目立たない。
でも、
その足跡の先には、
新しい芽が育っているかもしれません。
もしかすると、
生きるというのは、
自分のためだけではなく、
知らないうちに誰かの未来を育てていることなのかもしれません。








