1832年生まれ。
推定193歳。
「ジョナサン」という名のカメがいる。
彼はギネス世界記録に認定された、世界最高齢の陸上動物。そして史上最高齢のカメだ。
彼が生まれた頃、日本はまだ江戸時代。
電話もない。電気もない。エッフェル塔も存在しない。
「人を写した最初の写真」が撮られるより前から、彼は生きている。
もはや長生きという言葉では足りない。
時間そのものみたいな存在だ。
そんなジョナサンが暮らしているのは、アフリカと南米の間に浮かぶ孤島「セントヘレナ島」。
ナポレオンが流刑にされたことで知られる、あの島だ。
彼は1882年、セーシェルからこの島へ連れて来られた。
その時点で、すでに「成熟した成体」だったという。
そこから逆算され、1832年生まれと推定されている。
今のジョナサンは、白内障でほとんど目が見えず、嗅覚も失っている。
でも、耳は今も元気だ。
長年世話をしてくれる飼育員の声によく反応し、週に3回、手から果物を食べさせてもらっているらしい。
キュウリ。リンゴ。ニンジン。グアバ。
そして大好物のバナナ。
高齢の彼でも食べやすいよう、すべて細かく刻まれている。
島の総督は、ジョナサンをこう語った。
「彼は昔から、人々の結婚写真に一緒に写ってきた存在だ。そこにいるだけで、人を惹きつける」
実際、彼は島の5ペンス硬貨にも描かれている。
何かを成し遂げたわけじゃない。
毎日SNSを更新しているわけでもない。
ただ、そこにいる。
それだけで、人の心を動かしている。
そんなジョナサンに、今年ちょっとした騒動が起きた。
エイプリルフールの日。
担当獣医を名乗る偽アカウントがXで「ジョナサン死亡」という投稿をしたのだ。
その投稿は200万回以上閲覧され、世界中から追悼コメントが集まった。
しかし、それは完全なデマだった。
しかも目的は、暗号通貨の寄付を集めるため。
本物の獣医は後にこうコメントした。
「私はXアカウントなんて持っていません。あれは詐欺です」
なんとも今っぽい話だと思った。
SNSでは毎日、誰かが炎上し、誰かがバズり、誰かが焦っている。
AIが文章を作り、アルゴリズムが感情を揺らし、人間は置いていかれないように必死で情報を追いかける。
「もっと早く」
「もっと効率的に」
「もっと結果を」
そんな空気が、ずっと流れている。
でも、その騒動の中心にいたはずのジョナサンは、どうだったか。
彼はたぶん、そんなこと何も知らない。
ただ、のんびりとバナナを食べていた。
193年生きてきた存在から見れば、数日で消えるトレンドなんて、風より軽いのかもしれない。
目が見えなくても。
匂いがわからなくても。
信頼する人の声を聞いて、好きなものを食べて、ひなたぼっこをして眠る。
それだけで、周りの人を安心させている。
なんだか、その姿がすごく豊かに見えた。
僕たちは、いったい何をそんなに急いでいるんだろう。
何者かになろうとして、ずっと走り続けている。
でも本当は、
もっと遅くていいのかもしれない。
もっと不器用でいいのかもしれない。
一瞬のバズや、小手先のAIのテクニックを追いかけるより。
ジョナサンみたいに、ゆっくりでも「根っこ」を育てること。
自分のペースで。
地に足をつけて。
派手じゃなくても、ちゃんと生きること。
その積み重ねの方が、最後には強い気がする。
僕も「かめ先生」として、そんな風に生きていきたい。
速くなくていい。
ちゃんと、自分の足で進めばいい。
今日もたぶんジョナサンは、世界のどこかで、のんびりバナナを食べている。
そう思うと、なんか幸せな気分になる。
かめ先生




カメ先生
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ジョナサンのように生きたいです。
日々に感謝します。🍀✨⭐️📕
ジョナサーーーン