もし、江戸時代に生まれたカメが今も生きていたら、どんな景色を見てきたのでしょうか。
そんな想像をさせてくれる一匹が、ハリエットです。
ハリエットは、推定1830年ごろに生まれたガラパゴスゾウガメです。
2006年に亡くなるまで、およそ176年という長い生涯を送りました。
江戸時代から平成まで
ハリエットが生まれたころ、日本はまだ江戸時代でした。
その後、
黒船の来航
明治維新
飛行機の誕生
二度の世界大戦
テレビの普及
人類の月面着陸
インターネットの時代
世界は目まぐるしく変化しました。
人間なら数世代にわたる時間を、ハリエットは一匹の生涯として過ごしたのです。
ダーウィンのカメ?
長い間、ハリエットは
「進化論で有名なチャールズ・ダーウィンがガラパゴス諸島から持ち帰ったカメ」
として紹介されてきました。
しかし、その後のDNA解析などにより、ハリエットはダーウィンが訪れていない島の個体である可能性が高いことが分かりました。
つまり、この有名な話には現在では慎重な見方がされています。
ここにも、科学のおもしろさがあります。
一度広く信じられた説でも、新しい証拠が見つかれば更新される。
科学は「間違えないこと」ではなく、「より正しい答えに近づき続けること」なのです。
晩年はオーストラリアで
ハリエットは晩年、オーストラリア動物園で大切に飼育されました。
この動物園を運営していたのは、「クロコダイル・ハンター」として知られるスティーブ・アーウィンです。
多くの来園者がハリエットに会い、その穏やかな姿に魅了されました。
長生きは「時間を生きること」
長生きというと、年齢ばかりに目が向きます。
でも、ハリエットを見ていると、それ以上に感じることがあります。
長生きとは、長い時間そのものを生きること。
人が生まれ、育ち、親になり、また次の世代へと受け継がれていく。
その何世代もの時間を、一匹のカメは静かに見守ってきました。
だからハリエットは、「長寿のカメ」ではなく、「歴史を生きたカメ」と呼びたくなります。
🐢今日のかめ先生
長く生きるということは、たくさんの出来事を見るということ。
急いで生きるより、一日一日を積み重ねる。
約176年を生きたハリエットは、そんなことを静かに教えてくれているのかもしれません。







