メキシコカワガメという亀がいます。
メキシコ南東部、
ベリーズ、
グアテマラの大きな川やラグーンに暮らす、
大型の淡水ガメです。
見た目は、派手ではありません。
甲羅は低く、なめらか。
色も地味です。
黒っぽい。
茶色っぽい。
オリーブ色っぽい。
川の中にいると、
そのまま景色に溶け込んでしまいそうです。
でも、
この亀にはすごい特徴があります。
とても古い系統の亀なんです。
かつて、
この仲間はもっと広く存在していました。
けれど、
今も生き残っているのは、
メキシコカワガメだけ。
専門的には、
Dermatemydidaeというグループの、
唯一の現生種です。
つまり、最後の生き残り。
ここが、とても面白いところです。
自然界では、
新しく変わることが注目されがちです。
速くなる。
強くなる。
派手になる。
特殊になる。
でも、
メキシコカワガメは、
派手に変わることで残ってきた亀ではありません。
大きな川に暮らす。
深い水の中で休む。
夜になると、
岸辺の植物を食べる。
葉を食べる。
草を食べる。
花や果実を食べることもある。
ほとんど植物を中心に生きる亀です。
大きな体なのに、
肉食のハンターではありません。
強そうに見えて、草を食べる。
そこも、なんだかいいなと思います。
強さというのは、
攻撃することだけではない。
派手に勝つことだけでもない。
静かに続けること。
自分の場所で、
自分の食べ物を食べ、
自分の生き方を続けること。
それも、立派な強さです。
僕らは、
つい変わらなければいけないと思います。
新しいことをしなければ。
成長しなければ。
結果を出さなければ。
変化し続けなければ。
もちろん、変わることは大切です。
でも、
変わらないことで守られるものもあります。
毎日同じように挨拶すること。
同じ場所に帰ること。
同じ人を大切にすること。
同じペースで歩き続けること。
派手ではないけれど、
それが誰かの安心になることもあります。
メキシコカワガメは、
長い時間をこえて、
今も川の中で生きています。
目立たない。
大きく変わらない。
でも、
最後の一種として、
今もそこにいる。
ただし、
その存在は当たり前ではありません。
食用として捕られ、
生息地も変わり、
野生の個体数は減っています。
長い時間を生き残ってきた亀が、
今、人間の手によって消えかけている。
少し胸が痛くなります。
変わらずに生きてきたものは、強い。
でも、
強いからといって、
放っておいていいわけではない。
静かに続いてきたものほど、
気づいた時には失われかけていることがあります。
人も、同じなのかもしれません。
いつもそこにいる人。
毎日同じように働いている人。
静かに支えてくれている人。
そういう存在ほど、
つい当たり前にしてしまう。
でも、
当たり前なんかではない。
続いているものには、
続けてきた時間がある。
守ってきたものがある。
メキシコカワガメは、
今日も川の中で静かに生きています。
派手ではない。
新しくもない。
でも、長い時間を背負っている。
もしかすると、
生き残る強さというのは、
いつも変わることではなく、
変わらずに続けることの中にもあるのかもしれません。
そして、
続いてきたものを大切にすることも、
僕らにできる大事な役割なのかもしれません。











かめ先生のかめで始まり人で終わる文章、やっぱり好きです🥹♡なかなか追えていませんが、ゆっくりまた読みにきます🙌
当たり前を、続ける。この幸せや尊さを忘れたくないなと思えました🥹